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■松乃井酒造場について

松乃井酒造場

株式会社松乃井酒造場


創業 1890年頃
所在地 新潟県十日町市上野50-1
電話番号 025-768-2047
FAX 025-768-3927
ホームページ http://www.matsunoi.net/

■ 松乃井酒造場について


 雪国の生活の厳しさは冬の寒さだけでなく、雪による苦労もあります。それが豪雪地となると話はまた格段に違います。豪雪地では積雪の2mや3mは当たり前ですので、 住宅の1階部分は雪の中に隠れてしまいます。だから最近の豪雪地の住宅は、1階部分をコンクリートで造ったガレージにして、その上に2階建ての家を建てるものが多くなっています。でも車を出したり、外に出て行くために道路までの雪を除けなければなりません。また屋根の上に積もった雪が多くなり過ぎると建物が歪んだり、ひどい場合には潰れたりしますので、屋根の雪下しもしなければなりません。このような雪除けや雪下しを、ひと冬の間に何度もしなければならないのです。

 でも、このように厳しい気候、環境だからこそ絶好な、この雪や寒さが「天の恵み」と言えるものがあるのです。それが酒造りです。山に積もった大量の雪が、 解けながら山肌から地中に滲み込み、その間に濾過されたきれいな水が地下水としてふんだんにあり、そして気温が低いことで酒造りに害となる雑菌が繁殖し難く、 また醪(もろみ)を造る段階で酵母の活動をコントロールするためには低温の方が具合が良いことや、出来上がった酒を低温熟成したり雪中貯蔵をするなど、低温であることや雪を十二分に活かすことができるのです。

松乃井酒造場付近の風景

松乃井酒造場 外観

松乃井酒造場 外観

 新潟県でも有数な豪雪地の十日町市は、平成17年に十日町市を中心に5つの市町村が合併しましたが、合併以前の「旧川西町」にある酒蔵が今回ご紹介する「松乃井酒造場」です。
 十日町市の中央部を流れる信濃川が創り出した雄大な河岸段丘にこの蔵は在ります。盆地になっている十日町の中央部を見下ろす、その向こうには魚沼丘陵と更にその先 に越後山脈が連なる、雄大な景色を眺められる絶好のロケーションの中に、漆喰の白さが美しい建物が印象的な酒蔵です。

 創業は明治27年(1894年)とされています。しかし実際はそれより以前からだったようですが、大正時代の初め頃に、現在のこの場所に移ってきたのです。それはここに 赤松林に覆われた山の横井戸から、軟質で酒造りに適した良質な地下水が豊富に出ていたからです。現在もこの横井戸から四季を通じて絶えることなくこの蔵に注がれて来ています。この酒蔵の社名も、この名水にちなんで付けられたものなのでしょう。
 この酒蔵の財産ともいえるこの水が、2004年に起きた新潟県中越地震の時には水が濁り、水量が少なくなり大変心配をしましたが、1週間ほどで以前と同じようになったそうです。 県内の酒蔵でも、地震でそれまで使っていた水が、水脈が変わったりして枯れたり、異物が混じってしまったりして使えなくなったケースがあるので、それは不幸中の幸いでした。 しかしその地震により、大正時代に建てられ景観的にも機能的にも優れた米蔵として使っていた土蔵が損壊してしまい、他の建物にも大きな被害が出てしまいました。 そのような被害に遭いながらも、屈することなくそれまで続けてきた酒造りを何としても続けなければならないとの強い思いが、これらの困難を全て跳ね飛ばしたのです。

井戸水

井戸水

和釜

和釜

 そのように決意させる程にこだわるこの酒蔵の特徴は、何と言っても豊かな自然の中での手づくりを基本にした丁寧な酒造りではないでしょうか。長い間 この蔵の酒を呑み続けてくれた地元の酒好きな方々のためにも、それまでと変らないこの蔵の酒を造り続けることの使命感にも似た強い思いが、それまで以上に この蔵の酒造りを意識させたのではないでしょうか。
 精米は時間の掛かる地道な作業ですので、今日では外部に委託する酒蔵が殆どですが、ここでは納得の行く精米をするために自家精米をしています。そして洗米はザルに米を入れて丁寧に手で研ぎ、浸漬され水を適度に吸った米は和釜に載った甑(こしき)で蒸されるのです。蒸し上がった米は麹室に運ばれて麹床の上に広げて 冷まし、種麹を振り掛けたあと手で揉みます。製麹(せいきく)も、機械を使っている酒蔵が多い中で、レギュラー酒の麹まで全てを手作業でやっているのです。

大きな煙突

大きな煙突

酒造米

酒造米

 このような手作業中心の酒造りは、生産する酒の量がそれ程多くないことも続けられる条件とも言えるのでしょうが、逆に言えば手作業にこだわると生産量は おのずと制限されてしまうことになるのです。そしてそのことがこの蔵にとっては幸いだったと、この蔵の酒造りを見て強く感じるのです。ある時代には機械化を図り量産する機会もあったはずですが、そうはせずに地道な手造りを守り続けたことがこの酒蔵にとって何よりの財産になったのではないでしょうか。
 それは、こうして造られる松乃井酒造場の酒は県内でも、地元以外では余程の酒好きの人の他はあまり知られていないのかもしれませんが、他の酒蔵も「あそこの酒は旨い」と認めるほどの質の高い美味しい酒なのです。高級酒と言われる特定名称酒の生産割合の多い新潟県内の酒蔵の中で、普通酒の割合が半分以上と言うこの蔵の酒は、地元の十日町市に7割以上が出荷されていることからも、晩酌用としての普通酒の美味しさが愛され評価されていることに他ならないのです。
 寒い酒蔵の中でじっくりと発酵が進む間の、醪が発する匂いや音や泡の様子などをつぶさに観察して、米の旨味が滲み出した深い味わいのある酒にするため、蔵に泊り込んでもろみの管理をしているのです。

古澤実 代表

古澤実 代表

酒の樽

 このようにして雪深い豊かな自然の中で、心を込めてじっくり、そしてしっかり造られた芳醇な酒を是非皆様にも味わっていただきたいのです。