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■長谷川酒造について

長谷川酒造

長谷川酒造株式会社


創業 1842年
所在地 新潟県長岡市摂田屋2丁目7番28
電話番号 0258-32-0270
FAX 0258-35-6066
ホームページ http://www.sekkobai.ecnet.jp/

■ 長谷川酒造について


 長岡市に摂田屋(せったや)という地区があります。ここは「醸造の町」として知られていますが、古くから味噌や醤油や酒などを造る蔵が軒を並べておりました。 江戸とを結ぶ三国街道に面し交通の便に恵まれ、太田川や信濃川の円やかで良質な伏流水にも恵まれ、また周辺には米や大豆などの農作物が豊富にあったことから 醸造業が盛んになったと考えられますが、他にも大きな理由がありました。それは江戸時代初期に現在の市の中心部に長岡城が築造されましたが、その時に ここ「摂田屋」は上野寛永寺に天領として寄贈され幕府の直轄地となったため、長岡藩に比べて規制が緩く税金も優遇されていたためだと言われています。 この地を通るときには参勤交代の殿様でさえも駕籠から降りて歩いたと言われています。
 摂田屋の地名を全国的に有名にした、日本一の鏝絵(こてえ)がここにはあります。鏝絵とは、財を成した豪商などの住宅や土蔵の壁を漆喰で極彩色に飾る、 今で言うレリーフですが、江戸時代中頃から左官職人が鏝を使って仕上げる余技として広まり、それが芸術品の域にまで高められたものなのです。
 その鏝絵は「機那サフラン酒」という薬草酒の製造元が、大正時代に贅を尽くして建てた土蔵の外壁を14枚の絵が飾っているものです。

 ここ摂田屋には機那サフラン酒を含め現在酒造業が3軒、味噌醤油醸造業が3軒残っておりますが、この町に来た時に感じる何故かホッとするゆったりと落ち着いた雰囲気、それはこれらの醸造所の建物や、その景色や匂いが創り出しているように思うのです。

長谷川酒造 外観

長谷川酒造 外観

家印の「長の字鶴」があしらわれた玄関

家印の「長の字鶴」があしらわれた玄関

 今回ご紹介する「長谷川酒造」は、摂田屋の中でも古い歴史を持つ酒蔵です。創業は天保13年(1842年)と言われ、創業者の家系が長野県の出身であったことから 当時は「信州屋」と称していました。現在の建物は明治19年に建てられた母屋と、大正8年に建てられた仕込蔵や醸造蔵、大正10年に建てられた製麹室などがあります。 特に母屋の建築時期については、建物全体が大きな被害を受けた中越地震後の調査で、母屋の小屋裏から建築年と大工棟梁の名前を記した棟札が発見されたのです。 その他にもそれぞれの建物に建築された年代を示す墨書が見つかり、その中には「平和祈念」の文字が大工棟梁の名前とともに書かれているものもあったそうです。 これは第一次世界大戦後の世相によるものと見られ、このような墨書はとても珍しいものだと、調査をした大学の先生が驚いておられたそうです。

 建物の外観で特に目を惹く、1階部分がどっしりとしたレンガ造りとなっていてその上が木造になっている重厚感のある建物があります。これは、1階部分が製麹室になっていて、外気の温度変化を受けないように断熱効果を期待するための造りであり、更にその効果を高めるためレンガの内側にワラなどが入れられていると考えられています。 この酒蔵の麹づくりに対する細やかな心配りが感じられる建物です。

長く連なる蔵の壁

長く連なる蔵の壁

レンガ造りの蔵

レンガ造りの蔵

 ここ長谷川酒造の造る酒の特徴は、何と言っても手づくりへのこだわりではないでしょうか。そもそも一回の仕込み量を3~4千リットルと少なく抑えていることもありますが、他の酒蔵では大吟醸酒クラスでしか行わない、手作業での洗米や浸漬を全ての酒造りにおいて行っており、また蒸米も全量を和釜に甑(こしき)を載せて丁寧に行っています。今日では作業効率や生産性を優先するため、これらの作業は機械化した酒蔵が殆どですが、ここ長谷川酒造では頑なまでに手づくりにこだわっているのです。

酒造りの風景 浸漬

酒造りの風景 浸漬

酒造りの風景 蒸米

酒造りの風景 蒸米

 製麹作業は、蒸し上がった米を甑からスコップですくって容器に入れ、それを肩に担いで先ほど紹介した製麹室に運ぶのです。そして麹床(こうじどこ)に米をほぐしながら 手早く平らに広げ、粗熱を取ります。機械化された酒蔵では、洗米機で研いだあと適量の水を吸わせた米を連続蒸米機に入れ、自動的に蒸し上がった米は放冷機の中で 平らに広げられてコンベアの上を移動しながら適当な温度まで冷まされ、エアシューターで製麹室に運ばれるのです。このように米が製麹室に運ばれるまでを見ても、機械化された酒蔵とそうでない蔵では人手の掛かり方や作業の効率がまるで違うのですが、これらの手間を厭わずにやり続けて来たことは、酒造りに対する余程の強い 思い入れが無ければとてもできることではありません。

酒造りの風景 麹づくり1

麹づくり

酒造りの風景 麹づくり2

 このように手づくりにこだわった酒造りを続けてきている長谷川酒造に、近年新しい動きが出てきました。それは女性の感性を取り入れてきていることです。社長の奥様が専務となり、三人の娘さんが揃ってこの蔵に入って仕事をしているのです。昔からの地元の愛飲家を中心にした酒造りに加え、新たに「雫はやがて花となる」とのキャッチコピーに合わせた女性らしく牡丹の花をデザインした絵を前面に出した商品展開も図っており、古い歴史の酒蔵での 新しい挑戦が始められているのです。

酒米の契約農家さん

酒米の契約農家さん

長谷川葉子 専務

長谷川葉子 専務

 2004年に発生した中越地震で、蔵が潰れたり、蔵のシンボルでもあったレンガ製の煙突が倒れるなど大きな被害を出したこの酒蔵は、その苦難を乗り越えて昔ながらの 酒造りの良さを伝えるために蔵元一丸となって懸命に頑張っています。厳選した米を使い、丁寧に造られた酒は主力酒の「越後雪紅梅」をはじめ、嘗ての歴史ある 「初日初聲醸造元」と言われていた頃の名前を復活させた「初日正宗」や「初聲」などの銘酒が揃っています。ぜひ一度この心のこもった手づくりの味を楽しんでみては如何でしょうか。
(写真協力:長谷川酒造)