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■高千代酒造について

高千代酒造

高千代酒造株式会社


創業 1907年
所在地 新潟県南魚沼市長崎328-1
電話番号 025-782-0507
FAX 025-782-2937
ホームページ http://www.takachiyo.co.jp/

■ 高千代酒造について


 巻機山(まきはたやま)をご存知でしょうか。群馬県との県境近くにどっしりと腰を据えた大きな山塊という言い方がピッタリの、長い稜線がとても美しい山です。 その最高点は標高1,967mで、頂上付近には樹木が無く草原のような状態であることが、ひときわ稜線をシャープに美しく見せてくれています。
 冬季間この山の頂上付近は10mを越す雪が積もります。そこは人を寄せ付けないまさに想像を絶する世界です。その雪は徐々に融けながらも8月中旬くらいまで 雪渓に残ります。雪が遅くまで残っている斜面は土壌がジメジメとし、植物の生育期間も極端に短いことから樹木などは生育できず、 多雪環境に適応した草木植物だけが短い期間を美しく飾る「雪田草原」と言われる独特な植生をここに見ることができます。

 さてこの巻機山の麓の南魚沼市に、魅力あふれる山と手付かずの恵まれた大自然の中で酒を造り続けている「高千代酒造」があります。 南魚沼市は旧六日町、旧大和町そして旧塩沢町とが平成の大合併によって誕生した市です。人口は6万人程ですが、何と言っても皆さんご存知の コシヒカリをはじめとする農作物が豊富なところです。コシヒカリについては今さら説明するまでもなく「魚沼産」と産地名が付くだけで取引価格が高くなると 言われておりますが、ここ南魚沼市はその中心地であり、水や土壌や気候などが米の栽培にとても適している土地柄なのです。

高千代酒造周辺の風景

高千代酒造周辺の風景

雲洞庵

雲洞庵

 今回ご紹介する高千代酒造は、NHKの大河ドラマ「天地人」で描かれた上杉景勝や直江兼続ゆかりの坂戸城や雲洞庵のすぐ近くにあります。それだけに蔵の関係者が この歴史上の人物のドラマ化をどれだけ待ち望んでいたかは想像するに難くありません。しかしこの酒蔵を取材して感じたことは、 今はドラマ関連の名を酒名にした商品を出してはいますが、ブームが過ぎれば忘れ去られてしまうそんな土産品向けの安っぽい酒を造っている蔵ではないぞ、ということです。

 この酒蔵の特徴は、何と言っても明治元年の創業以来ずっとこの厳しい自然の中で自然に抗うことなく、自然と調和し、自然を生かし、自然を利用した酒造りをしていることでは ないでしょうか。日本一の米産地で作られる米にしても、洗米や仕込みに使う水にしても、仕込み時期の酒造りの邪魔をする雑菌類の動きを封じてくれる厳しい寒さも、 降り積もる雪によって清められた空気も全て酒を造るための最高の条件がここには揃っていて、その中で酒造りを行えることを最大の喜びとこの蔵では考えているのです。

高千代酒造 外観

高千代酒造 外観

貯蔵庫

 中でも特筆すべきことは水です。巻機山に積もる純白の雪が山肌から地中に滲み込み、百年を超える時間が経過する中でゆっくりと地中の成分を解かし込みながら濾過され、 地中深くまで入り込み粘土層のような水を通し難い地層の上を伏流水となってこの酒蔵の地下およそ100mのところを流れているのです。 それは穢れの無いとても円やかな軟水で、しかもこの酒蔵ではこの水の良さを生かすためフィルタなどで濾過することなく、滅菌処理をするだけでそのまま 仕込み水として使っているのです。

湧き水

湧き水

超軟水

 そして杜氏の阿部茂夫氏は、仕込み時期以外は農家として自ら米を栽培しています。その阿部杜氏が今こだわっているのは「一本〆」という名前の米です。 これは新潟県農業試験場で「五百万石」と「豊盃」との人工交配によって育成された酒造好適米で、新潟県の奨励品種になっていましたが、短稈種で倒伏し難く、 更に栽培しやすい特性のため肥料を多く与えることで収量を多くする農家が増え、結果として全体的な品質の低下を招いてしまったのです。 加えてこの米は醸造が難しいこともあり、各酒蔵からは見向きもされなくなっていたのですが、本来の「一本〆」の持つ独特の旨味を生かした酒を造りたいとの思いで、 蔵として独自に自社の田んぼの中に種場を作り、そこで毎年使う種籾を生産し、それを信頼できる限られた契約農家にお願いをして「一本〆」の栽培を続けているのです。 こうして作られた「一本〆」は、この蔵のこだわりの限定酒に使われています。

酒造米

米蔵

麹室

 また麹室は、入口に昔の冷蔵庫のような分厚い頑丈な木製の扉が付けられていて、その内部は全面に杉板が張られていています。 そしてその中で造る麹は今でも全量を手間の掛かる箱麹で作っています。これは酒造りにとって何と言っても麹の出来が最も大切と言う考えから、 そのための設備を整え、手間を厭わず全てを麹造りに懸けているのです。

 また訪れた時この蔵では、精米機を入れるための準備工事の最中でした。今までは精米は外部業者に依頼していたのですが、外 注ではどうしても納得の行く仕上がりを得ることができず、それならばと自社で精米をすることにしたのです。近年の 酒造業の傾向としては、精米は夜を徹しての長時間の作業となるため労務管理の問題やコスト面からむしろ外部への委託が増えてきている中で、 あえて品質確保のため自家精米に踏み切る決断は驚きを禁じえません。

 このように、米にも水にも自然環境にも恵まれた中で酒を造らせて貰っているのだからこの恵みを無駄にすることなく、それを生かすことに最大限の努力を惜しみなく 払おうという経営姿勢、そんな酒蔵で造られている酒を皆様に是非味わっていただきたいのです。