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猪又酒造

猪又酒造株式会社

   
創業      明治23年
所在地     新潟県糸魚川市新町71番地1
電話番号    025-555-2402
FAX     025-555-4006
ホームページ  http://www.tsukimizunoike.com/

■猪又酒造 について

 

  糸魚川市(いといがわし)は新潟県の最も西に位置し富山県と長野県と境を接しています。山林面積が約9割を占めるこの市では、日本海に面する二十数キロメートル全線に亘りその海岸線ぎりぎりにまで山が迫っています。日本の主要な地溝帯のひとつ、フォッサマグナの西縁の糸魚川静岡構造線を構成する姫川をはじめ数本の川がこれらの山々を貫いて日本海に注いでいますが、その川に沿って広がる僅かな平地に町が上流に向かって延びています。それらの川のうちの1本に早川があります。早川は、標高がいずれも2,400m程の新潟焼山と火打山とに源を発する川です。その山々に冬に降り積もったたくさんの雪が川となり、伏流水となりこの地域に豊富な水をもたらしてくれていて、その水は一部の地域では生活用水に使用されているくらい清らかで、しかも美味しいといわれています。

 

猪又酒造 外観
 

猪又酒造 外観

猪又酒造 場所
 

  今回ご紹介する「猪又酒造」は、この早川の河口から3㎞程上流にあり「月不見の池(つきみずのいけ)」と言う銘柄の日本酒を造っている明治23年(1890年)創業の老舗酒蔵です。酒名に使われている「月不見の池」は、この酒蔵に程近い標高160m程の山中にある面積約2.9ヘクタールの天然池で、地滑りによってできた窪みに湧水が溜まったものと言われ、池の周囲には山が迫り地滑りで運ばれてきた巨岩が点在しています。藤の名所としても有名で、五月下旬から六月上旬にかけては、あたり一面を藤の花が覆い、夜空の美しい月でさえ藤が隠してしまうかのような様子を見てきた地元の人々が、いつしかこの池を月の見えない池「月不見の池(つきみずのいけ)」と呼ぶようになったと言われてます。そして、毎年5月には藤をテーマにした祭りが池の周辺や地元の町で開催されていて、ここの酒のラベルにも藤の花があしらわれています。

 

猪又酒造 月不見の池 ラベル
 

月不見の池 藤の花のラベル

猪又酒造 酒蔵の風景
 

  この酒蔵の酒は、淡麗辛口のサラリとした酒質の酒が多い新潟県の中では異色です。米本来の味と香りをトコトン追求し続けているこの酒蔵の酒は、ここの清らかな水と米と麹と酵母とによって芳醇な味を醸し出しています。「日本酒は味と切れ」と言うのは4代目社長の猪又哲郎氏です。飲み飽きしないのは当たり前、飲み進むにつれ美味しくなる酒を目指しているとも猪又氏が言うこの蔵の酒の特徴のひとつは、米本来の味わいをいかす造りです。
  この酒蔵では昭和39年と言いますから50年程前から純米酒を造ってきました。当時日本酒は特級酒、一級酒、二級酒と等級分けされ高等級の酒ほど高税率を賦課するものでした。灘や伏見などの大手有名酒蔵なら贈答用として高等級の酒の需要があっても、地方の酒蔵の酒は安い物しか売れない時代でしたから普通は二級酒として売るしかなかったとすると、採算割れ覚悟で仕込んでいたのかもしれません。今でこそ当たり前の純米酒造りですが、50年前からそこまでこだわって来た先達の心意気、その酒造りの心がここにはそのまま今も引き継がれているのです。
  また、この酒蔵では米の酒ならではの熟味と熟香も大切にしています。純米吟醸以上は1年以上蔵で管理し熟成をしたもの出荷しているそうです。米本来の味わいをいかして造られた酒は、熟成によってなじんだやわらかな味わいを、この蔵の酒だけしか造れない深い旨味と香りを、楽しむことができます。

 

猪又酒造 猪又哲郎代表
 

猪又哲郎代表

猪又酒造 猪又哲郎代表と佐藤杜氏
 

猪又哲郎代表と佐藤杜氏

  酒造りの現場は通常、酒造りの一切を束ねる杜氏と数人の蔵人で作業が進められます。寒造りが主流となった250年程前から、米作りを終えた新潟県の農家では深い雪で作物を作ることができず現金収入を得るために冬期間酒蔵で働くようになりました。勤勉で真面目な彼らはやがて越後杜氏と呼ばれる集団となり全国で活躍し、今にその技が引き継がれています。
  この蔵の佐藤杜氏も越後杜氏のひとりで約40年に亘りここの酒造りを任されています。そして数人居る蔵人も春から秋までの間は地元で専業農家として働き、酒の仕込み準備が始まる10月末から蔵で酒造りを行うのだそうです。
  農家の人が蔵人として酒造りに携わることの大きなメリットがこの蔵にはあります。それはこの蔵で使う米の大半は佐藤杜氏と蔵人が栽培した越淡麗や五百万石、たかね錦などを使用していることです。酒造りのことを知る蔵人が蔵で使う酒米を自ら栽培するのですから、酒米作りにも気持ちが入ります。良い米ができなければ良い酒もできないことを一番よく知っている蔵人が、清らかな水と谷あいの昼と夜との気温差が大きい気候と、彼らの米作りの技によって育てられる米ですから、これほど恵まれた確かな調達先は他に無いのではないでしょうか。

 

猪又酒造 酒造米
 

精米された酒造米

猪又酒造 酒蔵の風景
 

  更に、この酒蔵では洗米、蒸米、製麹など手間の掛かる作業は全て手作業で行われています。
  中でも製麹には殊の外気配りがされています。麹の出来具合は酒造りを大きく左右するからです。だからそ麹室の壁の貼紙には「酒造りは麹が一番」と書かれていて続けてその後に、麹の仕上がり時の麹が保有する水分量を示す出麹歩合の目安や、そう仕上げるための具体的な注意事項などが書かれています。仕込みの時期には夜通しで一つ一つの麹箱ごとに温度や水分の管理を細かく行わなければなりません。そして仕込が終わった時期、壁も天井も杉板が貼られた麹室には、麹箱や道具が綺麗に並べられて大切にされており、麹造りに丁寧に向き合っていることが伝わってきました。

 

猪又酒造 麹室
 

麹室

猪又酒造 銘柄
 

  この酒蔵では現在年間で4百石程しか生産していませんが、造られる酒の全てに細やかな心が行き届いていることが今回の取材で良く分かりました。三倍増醸清酒が世の中にはびこっている時代にでさえ純米酒を造る決断をするほど純米造りにこだわってきた酒蔵です。こんな酒蔵が造る一本気な酒を皆さんにも一度飲んでみていただきたいのです。



 
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